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Sent: Thursday, November 29, 2007 11:16 AM (メール)
水沢様
黒いバックの「白い」バラは、難しくてまだ描けませんので、白いバックの前に置いた花瓶に生けた一輪の「紅い」バラを練習で描いてみました。
「紅い」バラの花びらは、HBでストロークを入れ、ついで2Bで、最後に4Bでストロークを入れて「紅い」色を出しました。 そして花瓶にストロークを入れている最中に気が付くと、「紅い」バラに0.5ミリ位の白いドットがたくさん発生していました。 その修正にずいぶん時間がかかりました。
ドットの原因は、羊毛のカーディガンを着てストロークを入れていたため、カーディガンに静電気が発生して、その静電気がバラの黒鉛を部分的に吸い取ったのではないかと推測しました。
(1)先生には、このような経験はありますか? 静電気が原因とすると、たとえ「バー」を使用しても、ドットは発生する気がします。
(2)「白」をバックにした「紅い」バラは、まだ下手なせいもありますが、写実画とは遠いものになりました。 鉛筆写実画の画題としては、適切ではないのでしょうか? 鉛筆写実画は、必ず、黒をバックにすべきでしょうか?
Sent: Thursday, November 29, 2007 6:00 PM
小川 賢幸さま
1)「黒」と「黒系統」で「紅」と「赤」、三原色などの「彩度の高い色彩」の表現はもともと不可能です。
ただ、人間としてもともと潜在意識として「先入観」を持っています。モノトーンの画面を見るときに、形だけを見るだけではなく、「色のついた物」としてみます。 画像が写実的であればあるほど、色を感じて見る傾向があります。
私の作品では、「最後の雪」が良い例です。月の色と屋根の雪はおなじ紙の白い色ですが、ほとんどの方が雪は白で、月は、ほんのりと光り輝いているといいます。
「二枚扇」の金色が輝いて見える点、「あじさい」の葉が一枚一枚違った緑に見える点。
すべて写実の効果が高くなればなるほど、見る人の先入観が働き実際の色を感じさせるの
です。
要するに、写実の力です。 どれだけ対象物の肌を観察して、どれだけ近い表現が出来
るかによります
2)今度の鉛筆画雑談005の例題に「少女と子犬」の部分例があります。
少女の顔が少し見られますが、唇のいろを参考にしてください。この程度ではいかが
でしょうか。
3)描き方は、H系鉛筆だけで描きます。B系統は原則として使用しません。例外として
考えらるのは強い光を受けてコントラストが極端に強い場合にB系統の鉛筆を補助的に
使用します。
アローワンスの広い2Hからはじめます。力を入れないで、数回重ねがきをします。
出来るだけすきまのないように均一な面に仕上げるように工夫してください。
つぎに白い隙間を4Hで時間を掛けて埋めて、全体を椿の肌に近ずけます。
光があたって明るい部分は練り消しゴムでそっと鉛筆の粉を取りながら表現します。
更に6Hか7Hで修正します。 濃い影の部分は もっとも濃い部分でもHBかFで
遠慮がちに目立たないようにアクセントをつけます。
4)白い点は紙の繊維の「くぼみ」です。入門書でも解説していますが、紙は繊維で
出来ており、その繊維と繊維との網目が小さなくぼみになっております。
鉛筆の粉がそのくぼみに入りきれない場合に白い点になって見えるのです。
鉛筆の粉の大きさとくぼみの大きさに注意してください。 くぼみより粉が小さければ
くぼみに粉が入って、入っただけ黒く見えます。
反対にくぼみより鉛筆の粉が大きければ粒子がくぼみに入りませんので、白い点になっ
て残ります。
具体的にいいますと、2B→4B→7Bとなるに従って粒子は大きくなります。
2H→4H→7Hとなるに従って粒子は細かくなります。
紙の繊維の目の大きさを良く判別して、どの程度の仕上がり肌にするかを判断しながら
鉛筆を選んで書き進んでください。
ご指摘の鉛筆の選び方は、反対方向ですので、均等な中間調は表現できません。
返って白点が目立ってきます。
入門書では「クリクリ」の説明で、白点の扱い方を説明してあります。
5)鉛筆の芯にとって鉄分は不純物です。現在市販の日本の鉛筆では書く上では不純物
は皆無といえます。ですから静電気による影響はまったく作画上はないと考えています。
(物理的な正確な説明ではなく,作画上の実際の感覚です。)
6)技術面では前回話題にした鉛筆の使い方が問題になる場合があります。
クロスの使い方ですと白点が残りがちになります。
修正にとんでもない時間が掛かりますので、初めからクロスしないように鉛筆の動きは
一定方向に統一して仕上げに近ずけるけるように工夫してください。
7)鉛筆画の背景は自由です。作画の目的に合わせて選択します。 白バックの場合
の多くは「イラスト風」と分類されがちで、背景を書きつくすと、「本画」扱いをさ
れることが多くなります。作画の目的に従って、自由に書き分けられますので、
工夫してください。
8)鉛筆画の画題としては白と黒のコントラストの強い画題の方が、鉛筆らしさが容易
に生かされて作画し安いのです。
中間色の場合は、それなりに時間が掛かりますので、中間調は全面ではなく、一部分に
するとか、群雲模様にするとか、工夫をします。
今回は以上でよろしいでしょうか? まだご不明な点がありましたら、入門書を参考し
ていただけるかメールをください。
本格的な寒さが始まります。風邪を引かないようにお身体を大切に。
http://www.enpitushajituga-mizusawa.com
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