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鉛筆細密画 ; 慈尊院(九度山町)
集英社発行『神と仏の道を歩く』NO.10(45頁)掲載
この作品も資料は写真のみなので、コントラストも、一応写真に準じてい
れば良かったわけですが、これまでも繰り返し話題にしてきましたように、単なる写真のコピーにならないように、鉛筆画ですので、鉛筆画らしく鉛筆の美しさを表現出来るように工夫をしました。
鉛筆画が写真と違う点の一つは、「白の美しさ」です。
又その白の表現は鉛筆画制作上の大切なポイントですし、むしろ、最近の
鉛筆画では「黒で描くだけではなく、如何に白を美しく残すかを創意する
ことが大切」といわれるほど白の表現が重視されるようになりました。
この作品の場合、具体的なテーマとすると「白い部分の影の描き方」と置
き換えることが出来ます。
【制作】
影を描く場合、ごく普通に影を書けば粉っぽい「鉛筆の黒」で表現されま
す。「黒い色の影」になります。更に鉛筆のストロークの斑と紙の欠点が
紙面上に散在しますので、影の部分が絵の全体の中で「異質」なものにな
ってしまいがちです。又、鉛筆画独特の「汚れ」になりかねません。
そこで、影は鉛筆で書いたままではなく、一工夫をします。
黒さ具合を薄くして、「白の影」と自然に見えるようになるまで、濃淡を
調整するのです。
実際の作業としては、一旦、出来上がった後で、影の部分を全体の仕上が
りを考えながら、練り消しゴムで軽く満遍なく叩きます。決して擦らない
でください。
表面の大きめの粉が練り消しゴムに附着して、ある程度取れてきます。
そして、小さな粉が紙面に残ります。
それだけ「きめ細かさ」と「うす気味の層」が表現できる訳です。
すなわち、「黒い影」では無く「白の影」と区別できるようになれば成功
です。
美しいグラデーションになるように手加減を練習してください。
また、全体のバランスを充分に配慮しながら、初めは、時間を掛けて、慎
重に作業を進めてください。慣れてくれば短時間で「柔らかい美しい白」
が表現できるようになります。
粉を取り過ぎた場合とか、ストロークの斑、紙の欠点等は、4H,6H,7Hの鉛
筆を針のように研いで、出来るだけ狭い範囲で、修整します。
細かいところは点描修整になります。
【参考書】
初心者の方の為に「鉛筆写実画入門」を用意しております。
この入門書の制作編の中で白いバラの描き方を、工程別に詳しく説明しています。その中で「練り消しゴムを使った影の描き方」を取り上げています。
くわしいご案内は下記のホームページの第3章をご参照ください。
http://enpitushajituga.web.fc2.com/現在引越し中
(sub3.html#【鉛筆写実画入門】)
この入門書は鉛筆画を始めようとしている方は勿論、特に従来の鉛筆画から鉛筆写実画に進まれる方達を対象に、鉛筆写実画独特の初歩的な知識やコツを解説しております。又、入門書の後半では、バラの花を課題にしてその書き方を工程ごとに、詳しく取り上げています。
このブログで取り上げている、一連の鉛筆画雑談は、制作上の話題を雑談形式に断片的に連載しているもので、入門書とは内容が異なります。
入門書の方は紙面を充分に費やして詳しく系統的に入門に必要な知識とコツを内容にしています。
本格的に鉛筆写実画を始めるための近道ですので、是非、ご利用ください。
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