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絶対に、逃がさない

 投稿者:カイゼル・クラフィス  投稿日:2012年10月 5日(金)00時00分29秒 i114-181-93-115.s04.a012.ap.plala.or.jp
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  アフロディーテ/丘の上→

聞こえてしまった彼女の別れの言葉、掴もうとしてた手は何かを掴んだ。それは彼女が投げたと思われる彼女の杖。煙幕も次第に無くなり、司会も良好になってくると残ったのは青い花畑、投げ捨てた黄金の二本の機械鋸。手に残された彼女の杖、失う事を恐れて強くなったはずなのに、彼女が転移した時にまた失ってしまったと動揺を覚えてしまう。そうだ、まだ彼女は生きてる。一体何を恐れたんだ、俺は。彼女に会う理由ももう一つ、出来たので。
表情も次第に薄ら笑みを浮かべ始める。

「―――さて、忘れ物は届けにいかないといけないな~。とは言うものの奏音は何処に行ったんだ…何も言わないで転移するからな。情報屋に当たってみるか…」

《ちょっと待ってよー、カイゼル。あの子の行った先なら大体わかるよー。此処から丁度北の方に感じるねー。》

「本当か、ディスペア?此処から北…?曖昧だな、もっとはっきりとわからないのか?ってか何でわかるんだ?」

《此処からじゃ駄目ー。わかると言われると…ちょっと知り合いの魔力とかなーり似てたからかな、覚えやすいし。もっと近くまで移動しないと…早く行かないと大変な事、起きるかもしれないでしょうー?》

「…そうか、じゃあ行くか。ああ、どうも嫌な感じもするしな…行くぞ、ディスペア。案内は任せたぞ」

《了解ー。―――あの子があの二人の魔力に似てて良かった…》

次の問題は彼女は何処に行ったかと考え始める。考えながら、先ほど放り投げた武器を持つとクルクルと回して、ブツブツと独り言を始める。と言った時に懐に持ってた【魔本】から声が聞こる。すると懐から銀色の光が漏れると、全身が白銀に輝く道化師が現れる。名は【ディスペア・ジョーカー】、彼の使用する武器の意志の一つ。
道化師の言葉に驚いて、此処から北の方に彼女がいるらしい。北と言われても探す範囲は広いし、それに何故お前にそんな力があるか聞くと、道化師はのほほんとした態度で答える。
それを聞いた彼は深くは聞かない事にした、今はそんな事を聞いてる場合じゃないのでとにかく北に向かおうと決める。背中にあるX状にクロスしてある機械翼を広げると、再び黒仮面を被る。道化師の姿が二つになった時、上空へ向かって飛行すると案内を任せて、北へ飛行する。
 
 

運命が動く時

 投稿者:御巫奏音  投稿日:2012年10月 4日(木)21時59分51秒 KHP059134060160.ppp-bb.dion.ne.jp
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  アフロディーテ/丘の上→ヨグソトス/水鏡の塔

ふと、身体にかかる負荷が無くなったのを感じれば、身体の痛みは和らぐものの、その優しさが心に痛い。座標を正確に指定し終えれば、淡い光があふれだす。彼の気配をすぐそこに感じるも、恐らくその手は届かない。それでも、転移の魔法は指定者以外が使うとどんな反作用はあるかわからない。心の中でごめんなさいとつぶやいた後に、伸ばされた手に自身の持つ杖を向ける。そして、ひょい、と杖を投げつける。あたったかどうかは目視できないけれど、これで距離は取れたはずだと確信して。

「さよなら、カイゼル…さん。お元気、で……。」

その言葉を残して、御巫奏音は、アフロディーテ国から姿を消した。




転移した先は、故郷ヨグソトスが空間をつないでいる場所である魔の山。一面の銀世界が三日月に照らされて青白く輝いている。アフロディーテに出ていた月と同じもの。彼も、彼らもこの月を見上げているのだろうか?そう思うと切ないものがこみ上げてくる。すがるべき杖も手放してしまって、支えるもののない身体が、雪原に投げ出されるまでにそう時間はかからなかった。ばふっと音をたててまうパウダースノーは星空にまぎれて消える。先ほどまで痛んだ身体は、雪がその熱を取って癒してくれているかのようだった。このまま眠ってしまえたら、どんなにいいだろうか、とぼんやりしていると、さく、さく、と足音が聞こえる。

『奏音……大丈夫?』
「大丈夫……ですが。…少し、はりきりす、ぎました。…お願い、し…ます。」
『了解。』

現れたのは、奏音と同じ様に黒いコートを着て、銀の杖を持つ男。背格好から見ても、少年といって差し支えないだろう。無理に動いたせいで、雪原を赤く染める奏音を念で浮かせれば、そのまま杖をひと振りすれば、空間が裂けたように歪む。その中を進めばそこは、世界から忘れられた都市、忘却の都ヨグソトスであった。意識の朦朧としている奏音を水鏡の塔にある癒しの間へと連れて行く。すると、既にそこには何人もの黒コートが集まっていて。

『来ましたね、奏音。さぁ、まずはその邪魔な装置を外しましょう。昭音、奏音をここへ。』

昭音(あきと)と呼ばれた少年は、年配の女性に促されるがままに、癒しの間の中央にある台の上に奏音を横たわらせる。そして、周りの数人が手にする水晶に魔力を込めていく。そうすることで、癒しの間の魔力回路が活性化し、奏音が淡い黄色の光に包まれていく。

『ひと先ず、ひと晩はこのままね。さぁ、みなさん。奏音がついに戻ってきました。やるべきことはわかりますね?忘れ去られた我等の力、かの国に思い知らせてやりましょう。……あの馬鹿息子に灸を据えてやらねばいけませんからね。』

そう意気込んだ一同は、魔力を供給する者を残し、それぞれの持ち場に戻って行った。
 

一瞬の甘さと油断

 投稿者:カイゼル・クラフィス  投稿日:2012年10月 4日(木)00時42分50秒 i114-181-93-115.s04.a012.ap.plala.or.jp
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  アフロディーテ/丘の上

「花は別に嫌いじゃないがそうじゃない。謝るくらいなら、俺はこんな力づくで止めないんだよ…ッ!クソが、何で俺達に話してくれないんだッ。」

花の事なんて聞いてないと見当違いの問いに火に油が注いだように、苛立ちが更に大きくなったようだが冷静になろうと頭を少々落ち着かせる。自分の感情は出すときは爆発しやすいが、冷静さを欠いた状態は危ないとわかってる。それで命なんて簡単に奪えるし、奪われるのだから。何も話してくれない俺達を守るためとかその理由だけがわからない彼女に裏切られた思いを感じた。その思いと共に声を荒らげて口から言葉にして出す。

「バカッ!そのまま―――ッ!?チッ、煙幕かッ!?―――どこだ!?俺達の前から何も言わないで逃げる気か、奏音ッ!―――そこか―――」

押さえつけてある程度の重力場で立って動いている。きっと彼女の魔法だ、だが怪我した状態で無理に動かしたら危険と判断して、彼女にかけていた大声を上げて、重力を解除する。それは一瞬の油断だった、自分に投げつけられた魔法譜が爆発を起こして煙幕が周囲を隠した。視界が悪い、彼女がどこに居たかもわからなくなった。おまけにありえない数の人の影、あちこちに出現してるので、このまま逃げる気だろうと考えがつく。
とにかく彼女の魔力を追って、探そうと周囲を歩きながら呼びかける。その声はどこか声は荒がってたが、どこか悲しくて、泣いてるような声だった。
影の一つの魔力が強い、確か彼女は転移が出来たはずだと思い出す。こうなったら飛びかかってでも止める気でいたので、走り出してその人影に向かって武器を放り捨てると両手を前に出して彼女を掴もうとする。
 

懐かしい敵意

 投稿者:御巫奏音  投稿日:2012年10月 2日(火)22時15分42秒 KHP059134060160.ppp-bb.dion.ne.jp
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  アフロディーテ/丘の上

「あ、う……えと、ご、めんな、さい?」

クソガキ、とは自分の事だろうと見当つけるも、何が悪かったのか解らず困ったよう小首をかしげながら一応の謝罪を口にする。
呆れ顔を浮かべる彼が傍らに置いていた武器を拾う動作を横目で見ながらも、思い当たることはこの花ぐらいで、「花はお嫌いでしたか?」と見当違いな事を聞いて。
こんな別れになるとは、随分と幸先の悪い道だと思うも、次いで放たれた勢いのある言葉にびくりと肩を震わせて、続く言葉を聞けば、うれしいようなくすぐったいような気持ちに包まれる。でも、そんな彼らだからこそ、大切にしたい。

「……そんな、ふうに。優しく……思ってく、れる。皆さんが……大好き、でした。だから、もう。この国……や、皆さんに。ご迷惑。被害。災害、その他のよ、くない。…こと。あげ、たくない。……の、です。カイゼル……さん。私は、大丈夫……です。だから……っ!?」

一瞬、ひどく動揺したような顔を浮かべるも、何もなかったかのように、(いや、怒ってはいるようなのだが)話す彼に困ったように頬笑みながら、『さようなら』を言おうとするも、急に掛けられた魔法に対し反応できず、勢いでその場に膝をついてしまう。一瞬、何が起きたか解らず、動きづらい身体を無理やり動かして彼を見据えれば、予想通りこの魔法を放ったのは彼のようで。強い口調で言われた『逃げるな』という言葉。今まで逃げてきた分の自業自得なのか、運命とは皮肉なものだとひとりごちに苦笑する。そして、無属性魔法、念能力とも言われる魔法を発動させれば、動かない手足を無理やり動かし、その場に再び立って見せる。重力に逆らい、無理に動かしているせいで、手足や関節は先ほどの比ではないほど痛むが、それをこらえて笑みを漏らす。

「私の、邪魔を。しないで……下さい。」

そう言って、魔法譜を取り出せば彼に投げつける。重力場でも構わず進むそれらは念の力で動いており、所定の場所に着いたところで魔法譜が弾け爆発し、丘一帯を煙幕で隠す。その隙に彼と距離をとり、魔法譜を自分そっくりの影に見立てれば丘中に散らせて。早く座標を安定させて、魔法譜を使わなければと急ぎ魔力を込めようとする。
 

それは、許さない

 投稿者:カイゼル・クラフィス  投稿日:2012年10月 2日(火)20時56分4秒 i114-181-93-115.s04.a012.ap.plala.or.jp
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  アフロディーテ国/丘の上

「―――やれやれ…お前も元気そうで良かったと思ったら、忘れてたな~…まだクソガキだったって事がな…ッ!」

久しぶりに会えた彼女は何を言ってるんだろうと最初はそう思った。杖を使って立ち上がる割にはまだ体がふらついて、押し倒すのも今でも出来そうだ。
ゆっくりとした動作で右手で被ってた自分の仮面を外すと懐に仕舞う。明かされた表情は深いため息をつくような心底呆れた顔、肩をすくめると手元に置いてた黄金の機械鋸を拾う。そして表情は次第に彼女の逃げるような行為に苛立ち、怒りを混ぜた声で彼女に聞こえるように呟く。

「…!?―――なぁ、奏音。最後って何だ?お前はこれから何をするか知らないが…死にいくような事するんだったら、見逃すはずないんだよッ!お前に何かあったら姉様達がきっと悲しむ、だからさせねぇ!まずはお前を病院に連れて行くッ!逃げるなよ、奏音ッ!!」

「最後に、貴方に…あえて、よかった…」この言葉を聞いた瞬間、自分の脳裏に映った光景。忘れるはすもない、かつて自分が小さい頃から所属してたある組織が崩壊した絵、尊敬してた【ボス】の死体、それを何故今になって思い出す。額から冷や汗、速く脈打つ心臓の音、酷く驚いた顔をしたがそれを変えて落ち着いて彼女を見据える。彼女が何をするかわからないが、ろくな事じゃない。だから止める、自分と彼女のために。
仮面を外したのはジョーカーとしてではなく、カイゼルとして、彼女の仲間として止めるために。
右手に持ってる機械鋸を彼女に向けると、彼女周辺に体が動けない程度の重力をかける。逃がさないように。
 

遭いたくなかった、逢いたいひと

 投稿者:御巫奏音  投稿日:2012年10月 2日(火)00時01分18秒 KHP059134060160.ppp-bb.dion.ne.jp
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  アフロディーテ国/丘の上

「……カイゼル、さん?」

ぼーっと、街を見ていれば、自分を呼ぶ声が聞こえて、つい、と目を向ければそこには「大切なひとたち」に該当する人物が心配そうな顔つきで駆け寄ってくる。こんな顔をさせたかった訳じゃないのに、黙っていなくなるつもりだったのに。物事はそううまくいかないものだと思えば、小さく微笑んで。

「随分。お久、ぶり。……ですね。お元気そう、で。何より……です。……すみま、せん。ご心配、なさらず。すぐ…治ります、から。ちょっと、お仕事。で、凡ミス…して、しまいまして。」

そう告げれば、これ以上心配をかけぬようにと、杖を使って立ち上がる。多少ふらつくものの、先ほどより楽になった身体。ね、大丈夫でしょう?とでも言うように笑顔を見せれば、空に浮かぶ月を見上げながら口を開く。

「私。もう、この国、には…こないで、しょう。やらなきゃ。ならない事……ある、の。です…。……今まで、どう、も。ありがと。う……ございました。皆さんと、過ごし、たこと。私、きっと。忘れ…ま、せん。初めは、敵と、味方。ぐちゃぐちゃ。でした、けど……それでも。皆さんを、大切。に、思えたこと。絶対、絶対!わすれ、ま。せん……。」

脳裏に浮かぶのは、戦いの日々、共に過ごした月見や花見、イベント、その他ささいな日常の会話。他愛のないそんな思いで達が、私をこの場所に引きとめようとするが、それではこの思い出を守れない。この場所を守るために、彼らの幸せを守るために、私は戦わなければならない。泣き出しそうになるのを抑えて彼の目を見据える。感情を殺して、軽く微笑んで見せれば、言葉を紡ぐ。

「最後に、貴方に…あえて、よかった……。カイゼル、さん。幸せに、なって……下さい。ね。……私は、この世界の、どこか、で。皆さんの、幸せ、を。祈って…います。この花…は。私から、この国、への…思いです。楽しい、日々を…ありがとう…って。見苦し、ければ……焼き払って、下さ、い。」

それじゃあ、と言って小さな会釈をすれば、魔法譜を取り出し、どこかへと転移しようとする。
 

異変に気付く切り札

 投稿者:カイゼル・クラフィス  投稿日:2012年10月 1日(月)22時20分12秒 i114-181-93-115.s04.a012.ap.plala.or.jp
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  アフロディーテ国/丘の上

三日月が街を優しく照らす夜のアフロディーテの上空に飛ぶ飛行物体、紅と蒼の二色の色を発光する機械の翼、四つの大鎌の刃の形が特徴で回転鋸と同じ刃。今まで多くの人間を切り倒してきた。その翼を持つのは黒と紫色を基調とした道化師、まるでトランプのジョーカーもしくはピエロに見えるその格好。顔は漆黒の仮面、表情は何処から見ても見られない。
裏の世界じゃ【殺戮のジョーカー】と呼ばれる存在、最近は家族と呼べるあの人の用心棒になった事で更に有名になった。
夜遅くになった裏の仕事の帰り、今夜の月は三日月だが綺麗で美しいと思う。住んでるこの国も美しいと思う。そう考えてる内にたまに訪れるあの丘の異変に気付く。微弱な魔力を感じて、何かが起きたと考える。だが考えるのは止めた、直接見に行けばいいと思って帰路から丘へ進路を変える。何が起きてるか知らないが、この国を危険に晒すなら潰すつもりでいる。そう決めた時、腕に付いてる黄金の腕輪が輝くと両手に宝剣のような外見を持つ金色の二本の回転鋸、両手に持つと丘へ向かう。


「―――何だこれ…?花…?誰かが人為的にやったのか?ん、あれは…?―――奏音!?―――しっかりしろ、大丈夫か?」

丘の上に着地すれば辺り一面は青い花畑、花には特に詳しくもないのでわからないが近くに歩み寄ると、片膝を折って花を触る。これといって普通の花だと辺りを見回すと誰かがいる。横になって上半身だけ体を起こしてるみたいだが、よく見るとその人物は奏音だとわかる。そして近づくと微かに血の匂いがすると、仮面の奥の顔色が変わる。
彼女は怪我をしてる、何があったがし知らないが慌てるように彼女の元へ駆け寄る、黄金の機械鋸を置くと必死に呼びかける。

 

全てを見渡す丘の上で

 投稿者:御巫奏音  投稿日:2012年10月 1日(月)20時18分55秒 KHP059134060160.ppp-bb.dion.ne.jp
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  アフロディーテ国/丘の上


瞬く星がきらめき、三日月が街を優しく照らす夜、淡い光を放ちながら姿を現したのは、黒いコートを着込んだ少女。黒さと暗さで解りづらいが、コートの端々に赤黒い血の跡が点々とついている。それは彼女が直前までナニをしていたのかを示すには十分すぎるしるしでもあった。ズキズキと痛む身体を丘の上に投げ出してしまえば、ぽすっと音をたてて仰向けに倒れる。いくら血を流そうとも痛みを感じないほどに鈍ったこの身体の感覚でさえ、ズキズキ痛む何かを感じるという事は、それだけ重傷なのか、それとも自分の身体が何かしらの変化を遂げているのか。検証してみたいと思う気持ちを頭の隅に追いやって、回復するために魔法譜を取り出し、自分へと魔法をかける。随分と外側からの魔法の効きが弱くなってしまったものだ、と思うも、この国での最後の時を大切にするには丁度いい言い訳だと思い、寝転がり、淡い光に包まれながら空を見上げる。星を繋げて思い耽るは自分にとっての「大切な人たち」。風の噂……というと洒落になってしまいそうなので、虫の知らせとしておこう。どうやら内緒で結婚式を挙げたらしい。呼ばれるはずもないのだが、少しの寂しさと、心からのおめでとうを言いたかった我が儘な自分に少し自嘲気味に笑えば、ポケットから魔法譜と、白いエリカの花であしらったブーケを出す。魔法譜に魔力を込めて、二羽のコルリに変えれば、幸せの青い鳥よろしく、彼らの元に幸せと白エリカを運んでと頼み、空へと放つ。コルリが彼らを見つける保証はなく、彼らに花が届く確証はなく。それでも二羽の青い鳥を空に放ったのは、自己満足以外の何物でもない。目視できるところまで、小鳥たちを見送って。

「どうか、……運命に、ながされて、しまわ、ぬ。ように……。」

そう祈るように声に出してつぶやけば、目を閉じる。随分長い事この国にいた気がする。と、いっても行ったり来たりではあったのだが。それでも、これでこの国に来ることも恐らくないだろう。冷静だと思っていた自分の頭の中は、長い間混乱の極みにいたようで、故郷からの一報は、冷水を頭から浴びたような感覚と共に、私の使命を思い出させてくれた。もうこの国に用は無い。正確には、神器には用があるが、この国でやる必要は無い。四つの団には申し訳ない事をしたと思う。それでも、出会えた事まで、悔やんだりはしていない。最後に想うのは、「大切なひとたち」のこと。彼らに、「彼」にさよならを言えない事は、随分と寂しい。でも、彼らに、「彼」に言ってしまったら、決心が鈍ってしまいそうだから。さよならの代わりに、この丘を花で満たそう。上半身だけむくりと起こし、遠い昔に誰かがくれた花の種を丘全体に撒く。そして、魔法譜を四方に無差別に投げやれば、魔力を満たし淡い光を放つ。光が収束し、夜の闇に飲み込まれてしまう頃には、丘は一面の青色、スイートピーで満たされる。伝えたい言葉は花のみが知っている。傍に咲く花をひと撫でして、もう一度身体を丘の上に投げ出す。淡く香る花の色香と、優しく照らす三日月。

「さよなら、アフロディーテ。」

スイートピーの花言葉は、さよなら、ありがとう愛の日々。
 

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